豊胸の研究は単にバストだけでなく、全体的なプロポーションをトータルにバランスよく整えていくという方向に向かいつつあります。やはり誰しも、出るところは出て欲しいでしょうし、引っ込んで欲しいところはキープしたいものだと思うのです。美容外科ではこうした「ボディデザイン」の一環として、脂肪吸引とセットになった豊胸というものも行われています。プチ整形でヒアルロン酸を注入する方式に変えて、ユーザー本人の体脂肪を注入するという方式で豊胸を行うのです。
ユーザー本人の体脂肪というのは、太腿やお腹、お尻など「余っているところ」からいただいてきて「欲しいところ」であるバストに注入しようという発想で、要するに脂肪吸引による部分痩せと豊胸とをまとめて行うという「一石二鳥」作戦なのです。この方式のメリットとしては、本人の身体の一部ですから「マッチング」という点でこれ以上の素材は他に無いわけです。安全性・親和性・定着性ということに関してもクリアできるという、理想的な豊胸のテクニックなのです。
豊胸の素材として吸引する脂肪をどこからどの程度持ってくるか、ということについては、事前に徹底的な体格検査と血液検査、健康診断を行い、本人の希望を含めた詳細なカウンセリングによってプランが練られます。ほとんどのユーザーの方がやみくもにＢカップ、Ａカップといった「数値至上主義」に陥っている場合が多いそうですが、あくまで本人の身長や骨格と照らし合わせて「黄金比」に基づくボディデザインを計画しなくてはなりません。脂肪吸引とセットになった脂肪注入方式の豊胸では、そうしたバランスを取りやすいというメリットがあります。
脂肪注入による豊胸は学会でも注目されている技術でして、今もどんどん研究が行われていますから、さらにグレードアップも進んでいます。本人の脂肪細胞であっても、吸引したそのままを注入するわけではありません。必ず不純物を取り除き、衛生的にも安全な状態にしてから注入するわけです。現在ではさらに脂肪細胞を濃縮する技術が進んで、より定着性が高く効率の良い豊胸が行われるようになっています。本人の脂肪細胞ですから、バストに注入されてしばらくすると、ある程度体内に吸収されてしまうわけですが、その分も計算に入れて注入するので大丈夫です。プチ整形のヒアルロン酸による豊胸と異なり、施術後数か月してもベストの大きさ・形を保つことが出来るという画期的なものです。
最先端の再生医療における成果も豊胸には採り入れられています。単純に脂肪細胞を注入するだけでなく、同じく本人の脂肪細胞から抽出された脂肪幹細胞をプラスすることで、注入された脂肪細胞が「バストの脂肪細胞」として増殖・定着するという効果が高まるのです。脂肪注入の最大のメリットは、何と言ってもその感触の完璧さ。本物のバストそのものが手に入る豊胸なのです。